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2024年06月05日
人間は、“細胞”から老いていく
【人間は、“細胞”から老いていく】
◆老化は、細胞の機能が衰えることから始まる
なぜ、細胞に働きかけることで、老化の抑制に効果があるのでしょうか。
人は、食べ物から栄養を摂取しています。体内で消化された食べ物は、各種ビタミンやミネラルの働きに補助されながら、最終的にはATPというエネルギーの材料となります。
外部から取り入れた栄養分で自らの体を作り、不要物を排出し、エネルギーとなるATPを合成して活動に使うという、一連のサイクルのことを“代謝”と言います。
このATPを作り出しているのが、細胞内のミトコンドリアという小器官です。人間の生命活動に欠かせないエネルギーは、細胞内で合成されているのです。
人間は、誕生後も活発に細胞分裂を繰り返して急速に成長しますが、25 歳頃をピークに、細胞数は減少に転じます。細胞が減っていけば、その分だけ、エネルギーの生成も減少し、代謝も落ちてくるため、病気などにもかかりやすくなります。
代謝が落ちると、生命活動が鈍くなり、外部からのストレスに弱くなったり、老廃物が溜まったりするようになります。こうして数十年をかけて、私たちの体は老いていくのです。
ちなみに肥満とは、単に食べ過ぎというだけでなく、細胞や器官の機能が衰えることによって、食べ物を代謝し切れないことでも起こります。これも中年太りという、老化現象の一つです。
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◆代謝を回すのに効果的な栄養素とは?
では、どうしたら体内の正常細胞を維持できるのでしょうか。
基本的に、代謝を上げるには外から栄養を取り入れるしかありませんが、食べ物をたくさん食べたところで、先述の通り肥満につながるだけです。
大事なのは、代謝のサイクルを回すために必要な栄養素を重点的に補充することです。当院が考えるその栄養素こそ、NMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)です。
NMNはビタミンB3の一種で、体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という物質に変換されます。長寿遺伝子とも言われるサーチュイン遺伝子が、タンパク質を働かせる際に、このNADを必要とします。
サーチュイン遺伝子が生成するタンパク質は、DNAの修復以外に、臓器機能の維持や、ミトコンドリア機能改善、炎症抑制、睡眠リズムの調節など、多くの重要な役割をこなしています。
NADは、もともと体内に存在していますが、様々な理由で加齢とともに失われていきます。50代の人の体内にあるNADは、20代のおおよそ半分程度になっているとの研究もあります。
当院では、このNADを増やすために、NMNをはじめとした様々な栄養成分を点滴投与することで、「体内のサーチュイン遺伝子の活性化→代謝の向上」につながると考えております。ひいては、それが正常細胞を元気にし、老化細胞の増加を抑える働きを持つと期待できるのです。
サーチュインクリニック大阪 院長 鈴木嘉洋
【参考文献】
『LIFE SPAN(ライフスパン)老いなき世界』(デビッド・A・シンクレア他著、2020年、東洋経済新報社)、『なぜ水素で細胞から若返るのか 抗酸化作用とアンチエイジング』(辻直樹著、2016年、PHP研究所)、他
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