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2024年09月20日

今、医療業界で大注目の“リポソーム”って何?

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【今、医療業界で大注目の“リポソーム”って何?】


 


◆「人工膜で薬を細胞に届ける」という画期的アイデア


近年、アンチエイジングを含めた医療業界や製薬業界などで、注目されているのがリポソーム(人工膜小胞)です。


人工膜小胞(リポソーム)とは?



法政大学HP「研究×SDGs」より借用


リポソームとは、リン脂質で形成された人工膜のことで、リン脂質は、人間の細胞膜を構成している主成分でもあります。

リポソームは、二重膜構造になっているという点も、細胞膜とよく似ています。膜内に薬などを封入することが可能で、体内に薬物を届けるDDS(薬物送達システム)の一つとして重要な役割を担っています。


このリポソームを利用することで実用化に至ったのが、前回もお話ししたメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンです。


mRNAワクチンの開発が難航した理由の1つに、RNAの不安定性が挙げられます。mRNAは非常に脆く、体内に入れると、たちまち酵素によって分解されてしまいます。

壊れやすいmRNAを、細胞よりも小さいナノサイズのリポソームで包んだことで、細胞まで到達し、タンパク質を合成させることに成功したのです。


当院で取り扱っている製品の中で言うと、NMNを内服薬タイプにしたものに、リポソームが使用されています。

NMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)とは、ビタミンB3の一種で、長寿遺伝子の活性化に不可欠な成分です。NMNを包み込み、確実に体内に送り届けられるよう、リポソームが使われているわけです。


《参考文献》

日本膜学会学会誌「膜(MEMBRANE)」,34(6),328-335(2009)、他


 


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◆美しさと危険は隣り合わせ?!


リポソームと似たような性質を持つものに、エクソソームがあります。

幹細胞から放出されるエクソソームには、美容や若返り効果が期待できるというので、最近のアンチエイジング業界では、ちょっとしたブームになっています。


エクソソームとは、細胞が放出している顆粒状の物質で、核酸やタンパク質などを内包しています。エクソソームは、細胞間で受け渡しが行われており、細胞同士の情報伝達ツールだと考えられています。


エクソソームは、再生医療分野でも注目されています。医薬品業界などが、遺伝子組み換えによって一部機能を改変したエクソソームをDDSとして利用しようとする動きもあります。

要は、エクソソームは天然のリポソームだと言ってもいいでしょう。


しかし、そうなると「このエクソソームは、どのような経路で抽出されたのか?」が問題になってきます。

エクソソームが、人間の体から取り出したものである以上、病気の感染リスクや、途中で不純物が混入する可能性もあります。実際に投与されるものの中に、どれくらいのエクソソームが入っているのか、そもそも入っているのかすら、クライアントには知る術がないのが実情です。


栄養成分からできているNMNリポソームなどと違って、こうした最先端医療には、依然未知数の部分もあることを理解した上で、使用を検討されることをお勧めいたします。


サーチュインクリニック大阪 院長 鈴木嘉洋


《参考文献》

日経バイオテク:2023年1月31日、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所HP、他