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2025年06月04日
子どもが病気になったら、どこの科に行けばいい?

◆病院の診療科目分けは、曖昧で分かりづらい
当院に通っているクライアント様からお話を聞いていると、40代の方でも、「まだ子どもが小さい」とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。
もし、子どもが病気になった時、親として「この病気は、どの科に連れて行けば良いのだろう?」と考えたことはないでしょうか。
以下は、私の個人的見解にはなりますが、元小児科医として、今日はこの疑問にお答えしたいと思います。
子どもの代表的な症状と言えば熱・咳・鼻水です。この場合は、小児科か、耳鼻科か、どちらだろうと迷われたことがある方も少なくないでしょう。
正解は、「どちらでも良い」です。
では、発熱した子どもの体に発疹が出た場合はどうでしょうか。
まだ小学校に上がる前の子どもであれば、迷わず小児科に連れて行くでしょうが、小学校高学年になってくると、中には大人顔負けの体格になる子どももいて、「小児科に行ってもいいのかどうか…」と迷う人もいるかもしれません。
発疹が出た際は、皮膚科でも良いのですが、発熱を伴う際は、やはり小児科が良いでしょう。
それでは口内炎ができた場合は、どの科に行けばいいのでしょうか。小児科?歯科口腔外科?皮膚科?
実は口内炎は、耳鼻咽喉科が専門です。「首から上の疾患は、耳鼻科の専門領域(目や脳などの専門分野を除く)」だと覚えておくと分かりやすいと思います。
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◆子どものだいたいの症状は、小児科で診察可能
実は、耳鼻科は外科に入ります(ちなみに小児科は内科です)。
例えば、中耳炎の中でも症状が軽く、投薬だけで治るものであれば、小児科でも診ることは可能ですが、鼓膜の切開など、外科的処置が必要な場合は、耳鼻科を紹介する形になります。
耳鼻科は咽喉科を兼ねてはいても、気管支炎や喘息などのような症状は専門外です。耳鼻科の範囲は「首から上」ですから、子どもがぜいぜい言っているような時は、小児科に行ってください。
他には、皮膚科も外科に入ります。
例えば簡単な火傷程度であれば、小児科で診ることもできますが、火事などで大火傷を負ってしまったような時は、皮膚科で外科的な治療が必要になります。
子供の病気で心配なのは、土日や夜に発病するケースです。
平日の昼間であれば、病院探しは難しくありません。しかし、土日に公園で遊んでいて頭を打ったとなっても、脳外科はまず営業していないでしょう。
県立病院などのような大きな病院でさえ、救急外来は、内科、外科、小児科くらいしか設置していない場合がほとんどです。
「何科へ行くか?」に対する結論をお伝えすると、
・軽い症状であれば、何科に行っても、たいていは診てもらえる
・何科が専門かわからない場合、子どもであれば、まずは小児科に行く
・小児科医が必要に応じて、適切な科を紹介してくれる
…となります。
特に小さなお子様がいらっしゃるご家庭の場合は「緊急の際に、どこの病院に行くか?」をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
その際、「小児科は水先案内人である」ということを覚えておいていただければと思います。
サーチュインクリニック東京
院長 高田秀実
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