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2025年11月04日
糖尿病治療薬はダイエットに効果的?

◆さまざまな病気の治療に効果を示す糖尿病治療薬
近年、糖尿病治療薬が、糖尿病以外でも効果を発揮する事例が相次いでいます。
たとえば、糖尿病治療薬の一つにSGLT2阻害薬というのがあります。
人間の体は、血液が全身を巡っていますが、血液中の老廃物を処理するために、腎臓で血液をろ過して、尿と一緒に老廃物を排出する仕組みになっています。
腎臓は一度、血液の全ての成分をろ過してから、体に必要なものだけを再吸収しています。
糖は本来、体に必要な物質であるため再吸収されますが、糖尿病患者の場合は、血中の糖が多過ぎることから、SGLT2阻害薬を使って再吸収を抑え、血糖値を下げようというわけです。
最近、このSGLT2阻害薬が、糖尿病だけではなく、心疾患や腎臓病にも効果があることが明らかになってきました。
SGLT2阻害薬は、糖以外に、体に余分なナトリウムや水分などを排出する作用もあり、それが血圧降下をもたらし、心臓や腎臓のダメージを防いでいると考えられます。
私も前職は循環器疾患の治療に携わっていましたので、度々、心疾患患者にSGLT2阻害薬を処方し、効果を目の当たりにしてきました。
糖尿病患者は、進行すると高血圧や心不全、アルツハイマー病、歯周病、各種感染症など、さまざまな病気にかかりやすくなります。
病気は単体で存在しているわけではなく、関連し合っていますから、薬も当然、それらに対して一定の効果を示すというのは、理解できる話なのではないでしょうか。
《参考文献》
糖尿病ネットワークDiabetes Net.:2022年11月17日、他
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◆糖尿病治療薬の減量効果をダイエットに流用してもいい?
ところで最近、巷でGLP-1ダイエットが流行し、問題になっています。
GLP-1とは、糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬のことで、これが今、世間で「糖尿病でなくても痩せる」ダイエット薬として話題になっているのです。
糖尿病の治療は、一般的に肥満の改善と、血糖値を下げるインスリンホルモンのコントロールが中心であり、薬もこれらに対して効果があるものを使用します。
ですから、糖尿病治療薬の中に痩せる薬があるのは、当然と言えば当然です。
前回、お話ししたように、自由診療クリニックでは、患者様の状況に応じた対応が可能です。それを逆手に取って、中には安易にGLP-1受容体作動薬をダイエット希望者に販売しているところがあるのも事実です。
確かに、人間誰しも、他人から美しく見られたいと思っているものです。
しかし中には、すでに痩せているのに、もっと痩せようとする人がいます。特に女性に多く、明らかに栄養失調状態の方もいます。
当院でもGLP-1受容体作動薬を扱っておりますが、単純に痩せたいという方への処方は行っておりません。血液検査を含めた各種検査を行ったうえで、しっかりしたフォローアップ体制のもとで処方・コントロールを行っています。
ご本人の希望や体調等に応じて、まずは健康を取り戻すための分子栄養学に基づいたアドバイスを行えるのも、当院の強みだと考えています。
サーチュインクリニック東京
院長 高田秀実
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