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2025年08月26日
辛いアトピー性皮膚炎の改善には、意外に身近なことが効果的

【辛いアトピー性皮膚炎の改善には、意外に身近なことが効果的】
◆アトピー性皮膚炎の原因は、いまだにわかっていない
アレルギー性皮膚炎を発症する主な要因として、遺伝的なものと環境的なものの二つが挙げられます。
例えば環境要因としては、戦後日本の植林政策によって、スギ花粉の飛散量が増大したことや、マンションなど機密性の高い住居に住むようになったことが、ダニアレルギーの増加につながったことなどが考えられます。
環境要因の一種に、衛生仮説というのがあります。幼児期に細菌やウイルスに感染する回数が多いほどアレルギー疾患になる確率が低い、という説です。
この説が正しければ、田舎に住む人は、都心に住む人よりもアレルギーになりにくいという結論になりそうですが、平成12年度から14年度にかけて、日本全国で学童を対象に行われた「アトピー性皮膚炎の年齢別有症率」調査によると、少なくとも学童期に関しては、都市と郊外では、有症率に明らかな差は見られなかったということです。
遺伝的要因については現在、アレルギー疾患を発症しやすい遺伝子が複数、発見されています。ただし、それを保有しているからといって、必ずしもアレルギーを発症するとは限りません。
元来、家族は同じ環境を共有し、食べ物や生活習慣なども似通っています。
どこまでが遺伝で、どこからが環境要因なのかというのは、一概には言えませんが、もともと遺伝的に持っていたアレルギー素因に、いくつかの環境要因が重なって発症する、ということなのかもしれません。
《参考文献》
『アレルギーはなぜ起こるか ヒトを傷つける過剰な免疫反応のしくみ』(斎藤博久著、2008年、講談社)、日本アレルギー学会:69-(1), 19-22 ,2020、厚生労働省HP:リウマチ・アレルギー情報、他
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◆アトピー性皮膚炎に対する分子栄養学的アプローチの有用性
最後に、アトピー性皮膚炎の治療に、分子栄養学的アプローチが有効であることをお伝えしたいと思います。
アトピーで傷んだ皮膚を再生させるには、皮膚の材料となるタンパク質や、いくつもの栄養素が必要です。
例えば、鉄分が不足すると貧血になる、というのは多くの人が知っていると思いますが、鉄は血中のヘモグロビンの構成要素として、身体中に酸素を運ぶ重要な働きをしています。
もし、鉄が不足すると、皮膚や粘膜の酸素不足が起こって、正常な皮膚や粘膜が作られなくなります。
亜鉛も、細胞分裂には欠かせないミネラルの一つです。不足した場合、新しい細胞を作る力が衰え、皮膚炎や味覚異常などの症状に繋がりやすくなります。
アトピー性皮膚炎の改善には、ビタミンも重要な役割を果たします。
例えば、肌の弾力成分であるコラーゲンの生成には、ビタミンCが必須です。ビタミンCには抗炎症作用もありますので、アトピー症状の改善に役立ちます。
またビタミンDには、免疫機能を活性化させる機能がありますし、ビタミンAには肌の新陳代謝を促進させる機能があります。
これ以外にも、まだまだ改善効果が期待できる栄養素はたくさんありますが、こうした栄養素の全てをサプリで摂取するには限界があります。
従って、まずはバランスの良い食事をしっかり摂った上で、不足している分をサプリで補う、という方法をお勧めいたします。
サーチュインクリニック東京
院長 高田秀実
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