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2025年07月08日

老化は、子どもの時からすでに始まっている

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【老化は、子どもの時からすでに始まっている】


 


◆人間の体質は、母親の胎内にいる時に決まる?!


「小児とアンチエイジング(老化予防)」と聞くと、両者は真逆のものであって、まるで無関係であるかのように感じる方もいらっしゃるかもしれません。


しかし、人は生まれた瞬間から死に向かって進んでいることに変わりはなく、それは母親の胎内にいる時から、すでに始まっているのです。


胎児、新生児、乳児の頃に受けた内的・外的因子と、成人後に発症する生活習慣病や慢性疾患などとの関連性を指摘した研究のことをDOHaD(ドーハッド)仮説と言います。


DOHaD仮説を訳すと「健康と病気の発生起源説」という意味になりますが、要は、出生前後の子どもの栄養状態、環境要因などによって起きる一種の体質変化のことです。


例えば、母親の胎内で栄養不足状態に置かれた胎児の体は、その状況に適応しようと、栄養蓄積型に変化します。へその緒を通じて入ってきた栄養は、胎児の体を大きくする前に、生命維持に使われることとなり、低出生体重で生まれる確率が高くなると考えられます。


しかし、食べ物が溢れているこの現代社会で生きるには、栄養蓄積型の体質は、かえって不利に働きます。


低出生体重で生まれた人が、成人後に糖尿病や心疾患系の病気を発症しやすくなるのは、胎内で体質が変化したためだというのが、DOHaD仮説の主張です。


《参考文献》


熊本大学:2019年5月30日、日本生物学的精神医学会誌23巻2号(2012)他


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◆健康でいるための第一歩とは、食生活を見直すこと


ところで、なぜ低出生体重児として生まれた全ての人が、生活習慣病を発症せず、一部の人にとどまるのでしょうか。


要因の一つとしては、出生後の環境や生活習慣の違いなどが挙げられますが、もう一つの要因として、Two-hit theory(2ヒット仮説)が考えられます。


これは低出生体重児だけに限った話ではありませんが、通常、何かの疾患要因を持って生まれたとしても、それだけでは発病しないことが多々あります。


体質や遺伝的素因(1st-hit)などに加えて、その後、別のマイナス要因(例えば飲酒、喫煙、暴飲暴食、感染、薬剤など)がトリガー(2nd-hit)となって発病に至る、というのが2ヒット仮説の考え方です。


多くの場合、自分と家族にどのような病気の因子があるのかは、なってみないとわかりません。


できるだけそうした因子を発現させないようにするには、子どもが小さい頃から、“食育”を授けていく必要があるのではないかと思います。


「食育を授ける」というからには、まずは大人の食生活を見直す必要があります。


最近の食事は、娯楽的要素が強調され過ぎているようにも感じますが、ここで一度、立ち止まってご自身の食生活を振り返ってみるのも良いかもしれません。


 


サーチュインクリニック東京


院長 高田秀実