鈴木 嘉洋(すずき よしひろ)
サーチュインクリニック大阪院 院長
医学博士 / 呼吸器内科専門医・指導医 / 総合内科専門医
愛知県刊谷市出身。臨床研修医を経て、呼吸器内科医として総合病院に勤務。名古屋大学大学院にて研究に携わり、博士号取得。肺がん、肺炎、喘息、COPD、新型コロナウイルス対策など多岐にわたる呼吸器疾患の診療を経験。数百人の看取りを通じて、「健康な人が病気にならないためのアプローチこそ、医療の本来の役割」という信念を持つ。2022年に総合病院を退職後、2023年春にサーチュインクリニック大阪院院長に着任。
老化というと、多くの方は「シワが増える」「白髪になる」といった見た目の変化を思い浮かべるかもしれません。
しかし、老化の本質は見た目の変化ではありません。体内で起こっている「細胞レベルの変化」こそが、私たちの健康を左右する重要な要因なのです。
現代人を蝕む慢性疾患の"真犯人"
現在、細菌やウイルスなどが引き起こす感染症などの急性疾患に関しては、かなりの確率で抑えられるようになっています。
ところが今、現代人の間で慢性疾患が急増しています。慢性疾患は、何十年もかかってゆっくりと進行し、やがて病気として表面化します。
急性疾患と慢性疾患の違い
現代医療が得意な領域と苦手な領域
- 細菌・ウイルス感染症
- 急性疾患への対応
- 数日〜数週間で発症
- 原因が明確
- 抗生物質などで治療可能
- がん、糖尿病、心疾患
- 何十年もかけて進行
- ゆっくりと発症
- 原因が複雑
- 対症療法が中心
感染症を克服しつつある現代医療が、なぜ慢性疾患では思うような成果を上げられていないのでしょうか。
総合病院での経験から
私はかつて、総合病院の呼吸器内科に勤める専門医でした。そこで行っていた慢性疾患である"がん"への治療法とは、第一に手術、それで治せないならば、化学療法、放射線治療などです。
実のところ、これらの治療法は、いずれも悪くなった箇所への対処法であって、原因そのものにアプローチしているわけではありません。
慢性疾患の根本原因は「細胞の変化」
では、慢性疾患の原因はどこにあるのか。私は、「それらは最終的には細胞の変化に起因している」と考えています。
人間の体は
の細胞でできています
体内では、日々、「正常細胞の減少」と「老化細胞の増加」という、2つの現象が進行しています。これが"老化"です。
体内で日々進行する2つの変化
正常細胞の減少
機能する細胞が減る
老化細胞の増加
機能しない細胞が増える
確かに細胞は40兆個もありますから、多少の細胞が減ったり、老化細胞が増えたりするくらいは何でもありません。
しかし、この小さな変化が体内で蓄積されていくと、やがては新陳代謝が滞り、免疫機能が正常に働かなくなります。
細胞老化が引き起こす連鎖反応
これが慢性疾患へとつながり、臓器不全を引き起こしているのではないかと考えられるのです。
「細胞で治療する」と「細胞を治療する」の違い
現代医療が、これまで細胞の治療に目を向けてこなかったのは、人類の長い歴史の中で、細胞が発見されたのが比較的最近であるという事情も関係しているのかもしれません。
実は、現代医療の一つである再生医療の中に、細胞治療という分野があります。ただし、この細胞治療は、体内で劣化・欠損した細胞を、培養した新しい細胞で補填・修復しようとするものです。
日本の再生医療の現状
現在、日本で一般に提供されている再生医療の多くは、自由診療(国民健康保険の対象外)となっています。
- 自由診療で行われている分野:美容、歯科、膝軟骨など、限られた分野
- 保険適用の例:札幌医科大学の脳梗塞再生医療など、少数にとどまる
2つの細胞治療アプローチの違い
- 外部から培養した細胞を利用
- 劣化・欠損した細胞を補填・修復
- 対象分野が限定的
- 多くが自由診療
- 自分の細胞を対象にする
- 細胞の機能を回復させる
- 老化を抑制・減速
- 病気になる前に体の機能を回復
再生医療の細胞治療とは、基本的に外からの細胞を利用した治療法のことであり、自分の細胞そのものを対象にしていないのが実情です。
サーチュインクリニックが目指すアンチエイジング医療
一方、当サーチュインクリニックでは、主に細胞の機能を回復させるための治療を行なっています。
治療対象は、もちろん自分の細胞です。
細胞治療を通じて、慢性疾患の大きな要因と考えられる老化を抑えるか、もしくは老化のスピードを遅くし、病気になる前に、体の機能を回復させる。
これが、当院が目指している
アンチエイジング(抗老化医療)なのです。
当院で提供する細胞機能回復治療
まとめ
- 老化は見た目だけの問題ではなく、細胞レベルで進行する変化です
- 慢性疾患の真の原因は、細胞老化による新陳代謝・免疫機能の低下にあります
- 現代医療の対症療法では、細胞レベルの根本原因にアプローチできないという限界があります
- 「細胞で治療する」(再生医療)と「細胞を治療する」(当院の細胞治療)は異なるアプローチです
- 自分の細胞の機能を回復させることで、病気になる前に体の機能を取り戻すことが可能です
参考文献
- 『なぜ水素で細胞から若返るのか 抗酸化作用とアンチエイジング』(辻直樹著、2016年、PHP研究所)
- 札幌医科大学附属病院HP
- その他、医学論文・臨床研究データ
よくある質問
細胞老化とは具体的にどのような現象ですか?
細胞老化とは、体内で「正常細胞の減少」と「老化細胞の増加」が同時に進行する現象です。人体を構成する約40兆個の細胞が加齢とともに機能を失い、新陳代謝の低下や免疫機能の衰えを引き起こします。この変化が蓄積されることで、慢性疾患や臓器不全につながると考えられています。
再生医療の細胞治療とサーチュインクリニックの細胞治療の違いは?
一般的な再生医療の細胞治療は、外部から培養した細胞を補填・修復する方法です。一方、当院の細胞治療は、自分自身の細胞の機能を回復させることに焦点を当てています。老化を抑え、病気になる前に体の機能を回復させることを目指しています。また、当院の治療は特定の部位だけでなく、全身の細胞機能の改善を目的としています。
慢性疾患の予防には何歳から取り組むべきですか?
細胞老化は日々進行しているため、できるだけ早い段階からの対策が効果的です。特に30代後半〜40代から細胞の老化が加速するため、この時期からの予防医療がおすすめです。ただし、何歳からでも細胞機能の回復は可能です。「今が一番若い」という考え方で、気づいた時点から始めることが重要です。