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2025年10月28日
食事や運動が管理できない人は糖尿病を防ぐことができないのか?

◆「今や10人に1人以上!」静かに忍び寄り、体を蝕む糖尿病
肥満が健康に良くないことは、今や常識ですが、中高年の方にとって怖いのは、やはり糖尿病でしょう。
糖尿病には1型と2型があり、1型は免疫が細胞を攻撃することによって発症する自己免疫疾患の一種です。
本コラムでは、主に肥満が要因となっている2型糖尿病について解説します。
現在、20歳以上の国民の10人に1人以上が糖尿病患者と見られ、さらに糖尿病が疑われる人や、糖尿病予備軍も含めると、その数は2000万人を超えるとも言われています。
糖尿病とは、血液中を流れる糖を調整しているインスリンというホルモンが十分に機能しなくなってしまうことによって発症する病気です。
インスリンの分泌量が不足するか、もしくはインスリンの効果が低くなることによって、血糖の濃度(血糖値)が高い状態が続くと、血管が傷つき、心疾患や慢性腎臓病、神経障害、網膜症などを併発します。
これらの合併症を発症すると、生活の質を著しく下げ、ついには死に至ることもあります。
《参考文献》
「国民健康・栄養調査」の令和4年(2022年)版、他
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◆保険診療では、臨機応変な対応ができない
糖尿病の治療は、食事療法と運動療法が基本です。
もし、それで改善しない場合は、飲み薬(血糖降下薬)などを服用しますが、血糖値が思うように下がらない時は、インスリン注射の導入を検討します。
インスリン注射とは、体内で不足しているか、もしくは効き目が弱くなっているインスリンを補充することによって、血糖をコントロールする方法です。
ところが、すでに症状が進んで血管が相当ダメージを受けていると、インスリン注射を行なっても、合併症が進んでしまうことがあります。
全ての患者様が、食事療法や運動療法が実践できるのであれば良いのですが、そういう人ばかりではないでしょう。
そういう方の手助けになる薬剤のひとつに、GLP-1受容体作動薬があります。
GLP-1受容体作動薬とは、小腸から分泌されるホルモンで、インスリンの分泌を促進する他、食欲低下などの作用も持ちます。
この薬剤が発売されたことによって、従来よりも、より柔軟な糖尿病治療が可能となりました。
保険診療は、保険を使うが故に、治療の手順などが厳格に決められており、血糖コントロールが上手くできない人に対しても、型通りの治療しかできないという欠点があります。
一方、自由診療の場合は、患者様の希望や持って生まれた体質、生活習慣、得手不得手なども考慮しながら、治療方針を決めることができます。
今、この文章をお読みの方の中で、食事療法や運動療法に自信がない方、「もしかしたら、自分も糖尿病になるのではないか」と不安に思われている方などがいらっしゃいましたら、一度当院までご相談いただければと思います。
サーチュインクリニック東京
院長 高田秀実
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