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2025年08月19日

アトピー性皮膚炎と、どう付き合っていけばいいのか?

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【アトピー性皮膚炎と、どう付き合っていけばいいのか?】


 


◆大人の間でも増えているアトピー性皮膚炎


かつてアトピー性皮膚炎というと、子どもの病気というイメージがありましたが、最近は大人のアトピーも増えています。


アトピーは激しい痒みを伴うため、きちんと治療を行わないと、仕事に集中できなかったり、痒みで熟睡できなかったりと、日常生活にも支障をきたします。


アトピーは自己免疫疾患の一種であり、現代医療では完治が難しい病気です。


そこで最近、アンチエイジング(抗老化医療)の分野でも注目されている、分子学的アプローチの有用性について考えてみたいと思います。


まずは、アトピー発症のメカニズムについて見てみましょう。



※独立行政法人環境再生保全機構「健やかライフNo.47」より一部抜粋


ご覧のように、正常な皮膚は、フィラグリンというタンパク質が、肌をしっとりさせる天然保湿因子を持つことで皮脂膜を保護し、バイ菌や病原菌などから体を守っています。


一方、アトピー性皮膚炎を発症すると、フィラグリンが少なくなることによって表皮に隙間ができ、そこから水分が蒸発していきます。


水分を保てなくなった皮脂膜は、弾力性がなくなって傷つき、そこからバイ菌が入って炎症を起こします。これが刺激となって痒みを伴い、掻きむしることで、さらに皮膚が傷んでしまうという悪循環に陥るのです。


2010年、名古屋大学医学部が、日本人のアトピー患者の27%にフィラグリン遺伝子変異が起きており、それが発症因子になっていたことを明らかにしています。


大人になって発症する人のうちの何割かは、この遺伝子変異によるものと考えられます。


 


《参考文献》


独立行政法人環境再生保全機構「健やかライフNo.47」、名古屋大学医学部皮膚科HP、他


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◆アトピー性皮膚炎の最新情報


アトピー性皮膚炎の治療は、保湿と塗り薬が基本です。


最近は、「保湿は必要ない」という意見もあるようですが、肌の保湿成分が失われた結果、発症するのがアトピーですから、やはり保湿はしたほうが良いと思います。


塗り薬は、定番のステロイド剤以外に、最近はカルシニューリン阻害薬やヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬などといった、新しい薬が次々と発売されています。


ステロイドは、激しい副作用を伴うことがあるため、敬遠する人もいますが、新しい薬にも副作用はありますから、どれを使用するかは、事前に医師と相談することをお勧めします。


実は、以前よりアレルギー患者の多くに、腸内細菌叢の乱れが指摘されてきました。具体的には、善玉菌の減少と悪玉菌の増加、細菌叢の多様性の低下などといったことです。


もし、ご自身やご家族でアトピー性皮膚炎を発症している方がいらっしゃいましたら、一度、腸内細菌の遺伝子解析を行うGI-MAP検査を受けてみてはいかがでしょうか。


GI -MAP検査を行うと、腸内にどのような細菌がいるのか、善玉菌と悪玉菌のバランスや腸内の炎症具合、腸漏れ(リーキーガット症候群)などもわかります。


GI -MAPは便検査ですので、血液検査ができない小さなお子様でも検査が可能です。当院も、GI-MAP検査を導入していますので、よろしければご相談いただければと思います。


 


サーチュインクリニック東京


院長 高田秀実


 


《参考文献》


日本アレルギー学会:69-(1), 19-22 ,2020、他