- カテゴリ:
- コラム
2025年08月12日
コーヒーに期待されるアンチエイジング効果

【コーヒーに期待されるアンチエイジング効果】
◆「コーヒーを飲むと病気予防になる」のは本当か?
近年、コーヒーにはがんやパーキンソン病、2型糖尿病などを予防する効果があると言われ、注目を集めています。
国立がん研究センターが行った肝臓がんの調査では、毎日1、2杯コーヒーを飲む人の発症リスクは、全く飲まない人の2分の1に、毎日5杯以上飲む人は4分の1に低下したと言います。
また2002年、米ハーバード大学が7年間、オランダの約1万7000人の男女を対象に行った追跡調査について発表を行いました。それによると、「1日7杯以上(日本の4杯相当)コーヒーを飲む人の糖尿病の発症リスクは、2杯以下の人と比べて半分だった」ということです。
生活習慣病だけではありません。コーヒーには、クロロゲン酸と呼ばれるポリフェノールの一種が含まれており、アンチエイジング効果も期待できます。
最近、コーヒーが腸内環境に良い影響を与えている可能性を示唆する研究が発表されています。
『Nature Microbiology』に掲載された記事によると、1日3杯以上、コーヒーを飲む人は、1ヶ月に3杯未満の人に比べて、ローソニバクター・アサカロリティカスという細菌のレベルが最大で8倍にもなったということです。
イタリアのトレント大学の教授は、その細菌が腸内環境に良い影響を与え、「短鎖脂肪酸を生成している可能性がある」と言います。
短鎖脂肪酸は、腸内環境を整え、腸のバリア機能を向上させると考えられています。
《参考文献》
日経新聞Web版:2013年7月9日、2017年3月4日、Newsweek:2024年12月13日、Women’s Health:2025年3月18日、他
──────────────────────────────────
◆カフェインにも薬効はある
コーヒーといえば眠気覚まし、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。それは、コーヒーに含まれているカフェインが中枢神経を興奮させ、覚醒を促す効能があるためです。
カフェインには、他にもアドレナリンを分泌して心拍数を増加させたり、体の反応を阻害して、痛みを和らげたり炎症を鎮めたりする効果があります。
現在は、カフェインが気になる方向けに、カフェインレスコーヒーも販売されていますが、化学的に処理されたものは、あまり体に良くありません。
もし、カフェインが少なめのコーヒーを飲みたい場合は、エスプレッソなどのような、深煎りのコーヒー豆を使用したコーヒーを飲むと良いでしょう。焙煎によって、カフェインがかなり少なくなっています。
逆に、強めのカフェインを摂取したい時には、浅煎りのモーニングブレンドなどを選ぶとスッキリします。
なお、カフェインを代謝する遺伝子には個人差があるため、あまり「一日◯杯以上飲むと△△に良い」という話を鵜呑みにしないようにしてください。
「美味しく飲んで、ついでに健康にも良い」くらいに留めておくのが良いのではないでしょうか。
サーチュインクリニック東京
院長 高田秀実
《参考文献》
『植物はなぜ薬を作るのか』(斉藤和季著、2017年、文藝春秋)、他
よく読まれている記事
-
コーヒーに期待されるアンチエイジング効果
- カテゴリ:
- コラム
-
「健康に良い」とされているポリフェノールの正体
- カテゴリ:
- コラム
-
CBDの選び方・使い方はどうすればいい?
- カテゴリ:
- コラム
-
CBDって使っても大丈夫?やばくない?
- カテゴリ:
- コラム
-
帝王切開と病気の意外な関係とは?
- カテゴリ:
- コラム