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2025年07月22日
CBDって使っても大丈夫?やばくない?

【CBDって使っても大丈夫?やばくない?】
◆大麻から抽出されたCBDに、なぜ薬効があるのか?
最近、巷で流行っているCBDが気になっている人もいるでしょう。
CBDとは、カンナビジオール(Cannabidiol)の略語で、大麻に含まれている植物由来の有効成分の一種です。
ご存じの通り、大麻は依存性や、精神障害などを発症する毒物として、長い間、違法薬物に指定されてきました。
しかし一方で、大麻にはがんなどの痛みを緩和する鎮痛作用や、精神を安定させる作用、食欲の増進や睡眠の質の向上作用などがあることも明らかになってきています。
どうして、大麻は有害成分と薬効成分の両方を備えているのでしょうか。そこには、カンナビノイドという物質が関係しています。
カンナビノイドとは、大麻に含まれている動植物の生命現象に関与する生理活性物質のことです。
大麻には、100種類以上のカンナビノイドが含まれていますが、その中で、最も知られているのがTHCです。THCは、高揚感や幻覚などを引き起こし、精神機能に影響を及ぼす作用を持ちます。
一方、CBDもカンナビノイドの一種であり、THCと似た化学構造を持つものの、高揚感や幻覚などはなく、抗炎症作用や神経保護作用など、多くの薬効があります。
つまり大麻草は、体内でTHCとCBDを拮抗させることで、バランスを保っているのだと考えられます。
《参考文献》
『マリファナ 世界の大麻最新事情』(日経ナショナルジオグラフィック別冊2020)、ファルマシア Vol.52 No.9 2016、保健医療学雑誌9(2)007、他
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◆偏見を乗り越えたことで、大麻の有効成分が明らかになった
実は、違法薬物に指定されていた大麻は、長い間、研究者たちから敬遠され続けてきました。
1963年、イスラエルの科学者が、大麻の化学成分の分析に取り組み、THCやCBDを初めて単離することに成功します。
これを皮切りに研究が進み、大麻には有害成分と同時に、数々の有効成分も含まれていることがわかってきたのです。
そもそも、人間の体内には存在しないはずのカンナビノイドに、なぜ体が反応するのでしょうか。それはおそらく、体内にカンナビノイドか、それに似た物質があるために、体が反応する仕組みをすでに有しているからではないかと予想されました。
1992年、人間の体内で、生来の生理活性物質としての内因性カンナビノイドが発見されました。
内因性カンナビノイドは、別名脳内マリファナ類似物質とも呼ばれています。マリファナ(大麻)と似た構造と作用を持つために、この名がありますが、この脳内マリファナがてんかんを抑制する効果を持つことを、2016年、東京大学などからなる研究チームが発表しています。
現在、CBDは、すでにイギリスやアメリカなどで、てんかん治療薬として使われています。
日本でも、2024年の大麻改正法によって、CBDの医療利用への道が開かれました。今後は、本格的に医療現場に投入され、効果が実証されていくでしょう。
次回は、CBDの取り入れ方や、使用事例などについて解説したいと思います。
サーチュインクリニック大阪
院長 鈴木嘉洋
《参考文献》
日経新聞Web版:2015年5月31日、All About:2023年4月10日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構:2016年7月22日、他
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