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2025年05月21日
健康診断が「異常なし」でも、健康とは限らない

◆健康診断の結果は、単純に線引きされているだけ
当サーチュインクリニックに来院されるクライアント様に、「栄養評価のために血液検査をしましょうか?」と聞くと、たいてい「健康診断の時に血液検査を受けていて、問題なかったので大丈夫です。」という返事が返ってきます。
しかし、健康診断の際に受ける血液検査と、当院で行っている血液検査は、結果の見方がかなり異なります。
健康診断の基準値は、健康な人々の検査データを統計学的に算出した数値で、上限と下限の2.5%ずつを除外したもので、残りの95%の人の数値が基準範囲とされています。つまり、「現時点では健康と考えられる人の95%が含まれる範囲」が基準値ということです。
つまり、健康診断で行っている検査は、単純化されていて、95%という大勢の人々は正常とされてしまう検査なのです。
要は、基準値以下であれば病気と診断されるわけですが、現実は、残りの95%の中にもグラデーションがあって、そう簡単に白黒つけられるものではありません。
例え検査表に「所見なし」と記入されていても、実際はいわゆるグレーゾーンに属している人も多く、その人たちは、言わば“病気予備軍”ということになります。
しかしそういう人たちも、健康診断では異常なし判定されているのが実情です。
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◆病気の兆候を掴むには、結果を定量的に判断する必要がある
一方、当院の守備範囲は、むしろグレーゾーンを含めた、一般医療が治療の対象としない人たちです。
当院がご用意している、最もオーソドックスな検査は血液検査ですが、一般健診でチェックするような肝機能、腎機能、血糖値、コレステロール値や貧血に加えて、ビタミン、ミネラルなどの主な栄養素の数値などがわかります。
事例をお話ししましょう。先日、当院のグループ企業の社員の血液検査を行ったところ、健康診断基準に照らせば、異常なしという結果が出ました。
しかし当院が下した見立ては、以下のようなものです。
・ビタミンBが不足している
・鉄分不足で、隠れ貧血気味になっている
・亜鉛が不足しているので、少し調子が良くないと感じている可能性がある
・腎機能が低下している兆候が見られる
このような結果が出せるのは、検査結果を一般的な基準値だけではなく、栄養学的な基準値も含めて分析しているからです。
上記のような栄養不足を放置しておけば、徐々に健康を害していきます。結局のところ、自覚症状を感じるようになるのは、病状がかなり進んでからなのです。
当院では、他にも様々な検査を用いて、可能な限り体内の状態を把握したうえで、ご本人様のご要望も考慮の上で治療を行っています。
今、この文章をお読みの方の中で、「健康診断は問題なかったけれど、体調が優れない」「体がだるい」「今ひとつ元気が出ない」といった自覚症状を感じている方は、一度、検査について相談してみることをお勧めいたします。
サーチュインクリニック大阪
院長 鈴木嘉洋
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