2025年05月07日
今、明らかになりつつあるアレルギーの新常識

【今、明らかになりつつあるアレルギーの新常識】
◆アレルギーの中には、すぐには症状が出ないものもある
日本では昨今、アレルギー患者が増え続けています。
私の知り合いで以前、学校給食に勤めていた方に話を聞いたところ、年々、アレルギーを持つ子どもが増えていたそうです。アレルギーの原因物質も、出汁や特定の魚がダメなど、非常に多岐にわたっていたということです。
私たちもよく知っている即時型の1型アレルギーは、アナフィラキシーなどの激烈な症状が出ることもありますが、15分ほどで発言するため、わかりやすいという特性があります。
一方、4型の遅延型アレルギーは、症状が出るまでに、一般に24時間から48時間ほどかかります。
その症状も、頭痛、めまい、うつ、精神症状、肩こり、慢性疲労など、アレルギーなのか、不定愁訴的なものなのかが、判別がつきにくくなっています。
遅延型の中でも、特に食べ物に反応して出現するアレルギーのことを、遅延型フードアレルギーと言います。
遅延型アレルギーを引き起こす原因物質としては、小麦の中に含まれているグルテンや牛乳の中に含まれるカゼイン、その他、卵、豆類、ナッツ、甲殻類などが挙げられます。
遅延型フードアレルギーは、1型に比べてわかりづらく、中には自分がアレルギーになっていることに気づかない人もいます。
「今一つ調子が出ないのは、年のせいかな」などと見過ごされがちなのが、遅延型フードアレルギーなのです。
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◆遅延性フードアレルギーと腸内環境との関係
念のために、遅延型フードアレルギーのチェックリストを挙げておきましょう。もし、3項目以上、当てはまるものがある場合は、遅延型フードアレルギーかもしれません。
この様に、何となくの不調の原因が遅延型フードアレルギーであることがあり、そのアレルギーが腸内環境と関係していることが最近わかってきました。
元々、腸には免疫細胞の7割が集まっていると言われ、免疫機能において重要な役割を担っています。
もし、何らかの理由で、腸壁が傷ついたり、荒れたり、結合部分が緩んだりしてしまうと、そこから毒素や未消化の食べ物などが入り込み、血液に混ざって体中を巡り、異常な免疫反応を起こして、ひいては体調不良の原因になることがあるのです。 この腸が傷ついている状況をリーキーガット症候群と言います。
現在では、GI-MAPという便検査で腸内細菌叢のバランスや、炎症の具合をチェックし、リーキーガット症候群の有無を調べることが出来ます。
またIgG Food MAP検査(血液検査での遅延性フードアレルギー検査)で、どの食物によって反応が出ているのかを知ることも出来ます。
当院では、上記のような検査結果に応じて、腸内環境を整えるためのアプローチを検討し、不調に対処しています。
消化酵素や善玉菌などのサプリメントで腸内環境を整えたり、もしくは抗炎症作用のある水素や、CBDなどを使ったりすることで、症状を落ち着けることが期待できます。
「何となく体調が優れないけれども、原因がわからない」などとお悩みの方がいらっしゃいましたら、ご相談いただければと思います。
サーチュインクリニック大阪 院長 鈴木嘉洋
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