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2024年12月27日
私たちの社会で起きている「新たな食の危機」とは?
【私たちの社会で起きている「新たな食の危機」とは?】
◆なぜ、現代社会で栄養不足が起きているのか?
前回、分子栄養学について解説しましたが、当サーチュインクリニックでも、分子栄養学的アプローチの一環として、各種検査を行っています。
検査を行っていると、全体的に栄養素が基準値に達していない人もいれば、中には特定の栄養素だけが不足している人もいます。
なぜ、栄養素にばらつきが出てしまうのかという、一つの仮説として、「美味しいことが最優先」されている現代人の食生活と密接な関係があるのではないかと考えています。
例えば、玄米や全粒粉などは、ビタミン・ミネラルの含有量が豊富で、非常に栄養価の高い食べ物です。ところが、私たちは「白米や精製小麦のほうが美味しいから」という理由で脱穀し、ほとんど炭水化物だけになった白米や精製小麦を食べています。
要するに、「簡単・便利・美味しい」を追求して出来た加工食品を食べている現代人は、栄養が偏りやすく、お腹いっぱい食べていながら、栄養失調に陥りやすい生活をしているのです。
人間は、体内でビタミンやミネラルを合成することができません。本来であれば、食べ物から必要栄養素を摂取すべきところですが、残念ながら、私たちを取り巻く食環境は厳しさを増しています。
サプリメントに頼り過ぎるのは禁物とは言え、現代の食生活の中で補えない分に関しては、今のところサプリメントを上手く活用する以外にないのが実情です。
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◆必須ミネラルの一つであるマグネシウムの重要性
ところで、現代人が不足している栄養素の一つに、必須ミネラルのマグネシウムが挙げられます。
マグネシウムは、私たちの体内で、例えばたんぱく質の合成や神経伝達の制御、筋肉の動きをスムーズにするなど、非常に重要な多くの役割を担っています。
私の知り合いのスポーツトレーナーによると、マグネシウムを運動前や、運動中に摂取しているアスリートは、筋肉の弛緩を助け、持続的なパフォーマンスアップ、疲労が回復しやすい、といった効果があるということです。
マグネシウムの1日の摂取推奨量は、20歳以上29歳以下の男性が340mg、女性が270mgと言われています。しかし、厚生労働省の調査によると、実際に摂取しているマグネシウム量は、同年齢の男性で224mg、女性が180mgという結果が出ており、食品からの摂取だけでは不足していることが推測されます。
当院では、検査の結果、マグネシウム不足が明らかになったクライアント様向けに、リポソーム化した液体マグネシウムや、塗るマグネシウムなどをご用意しています。
リポソームとは、私たちの細胞の細胞膜と同じ構成成分でできたカプセルのことで、体内へより効率的に栄養成分を送り届けることができます。
また、マグネシウムは皮膚からの吸収も可能です。もし、経口摂取が苦手な方や、部位別にピンポイントに効果を得たい方は、マグネシウムバームを利用されると良いのではないかと思います。
サーチュインクリニック大阪 院長 鈴木嘉洋
《参考文献》
厚生労働省「令和4年国民健康・栄養調査」、国立健康・栄養研究所HP、他
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