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2024年07月31日
秘められた「ビタミンDのパワー」とは?
【秘められた「ビタミンDのパワー」とは?】
◆アンチエイジング業界から、熱い視線を注がれるビタミンD
アンチエイジング(抗老化)栄養素の一つに、ビタミンDがあります。ビタミンDと言えば、「カルシウムの消化・吸収を助けて、骨の形成を促進させる」成分として、広く知られています。
ビタミンDは、かつて人々を苦しませてきた“くる病”という病気の原因物質として、1930年代に特定されました。
くる病は、骨軟化症とも呼ばれて、カルシウムやビタミンDが不足することで、骨が柔らかくなってしまう病気です。一説によると、『アルプスの少女ハイジ』に出てくるクララという足の不自由な女の子が、くる病だったのではないかと言われています。
お金持ちの家に生まれて、都会で過保護に育てられたクララが、遊び相手として雇われたハイジと共に、アルプスの大自然の中で生活するうちに、自然にビタミンD不足が解消されて歩けるようになった、というストーリーには説得力があります。
ところが近年、ビタミンDには、骨の形成以外の効能があることもわかってきました。例えば、遺伝子の働きの調整や、インスリンの分泌を促し、筋肉を動かすための神経伝達にも関わっている、等々。
また、ビタミンDの値が高い人は、免疫力が上がり、がんの死亡率が下がったり、糖尿病のリスクも低くなったりする、といった研究結果もあります。まさに、アンチエイジング効果が期待できる栄養素の一つだと言えるでしょう。
こうしたことから、ビタミンDは今、サプリ業界を中心に、ちょっとしたブームになっているのです。
《参考文献》
日本農芸化学会「化学と生物」59(12):622-630(2021)、日経メディカル:2017年9月28日、日本内分泌学会:2019年11月11日、他
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◆日本人は、圧倒的にビタミンDが足りていない
日本の医療業界がビタミンDに注目するきっかけとなったのが、こちらの記事です。
98%の日本人が「ビタミンD不足」に該当
https://medical.jiji.com/topics/3077
日本慈恵会医科大学が中心となって行った調査をもとに、日本人のビタミンDの摂取量を算出したところ、男性が7-30ng/mL、女性が5-27ng/mLという結果になりました。男女ともに、日本代謝内分泌学会・日本整形外科学会が提唱している基準濃度<30ng/mLに達しておらず、実に日本人の98%がビタミンD不足に陥っていることが明らかになったのです。
当サーチュインクリニック大阪でも、クライアント様のご要望に応じて、血液検査を行っています。これまでの結果を見ると、だいたい20-25ng/mLの人が多く、30ng/mLを超えてくる人は、ごくたまにいるくらいですから、上記の検査報告には、頷くものがあります。
ビタミンDを補う食品には、魚介類、キノコ類、卵、乳製品などがあります。また、日光浴など紫外線を浴びると、体内でもある程度のビタミンDを合成できますが、補い切れない分に関しては、サプリメントを活用するのも一つの方法です。
なお、ビタミンには、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2種類があります。
水溶性ビタミンは、ビタミンB群、Cなどで、摂り過ぎても尿として排泄されるため、大きな問題はないでしょう。一方、脂溶性ビタミンは、ビタミンA、D、E、Kなどが該当し、摂り過ぎると体に蓄積して毒になる可能性もありますから、注意が必要です。
薬も、サプリも、「必要なものを、必要な分だけ」というルールを遵守しないと、かえって逆効果になる場合があります。サプリの服用をお考えの方は、事前に専門家からアドバイスを受けることをお勧めいたします。
サーチュインクリニック大阪 院長 鈴木嘉洋
《参考文献》
健康長寿ネット:2023年8月17日、日経新聞Web版:2024年3月29日、他
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